わがはじ!

めんどいオタクのブログ。

「月姫」の新作を待っていたらオリンピックが3回通過しそうな件について(前編)

 

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タイトルを見た時点で勘のいい読者ならもうお分かりだろうが、今回も尚の事、鬱蒼とする予定である。最近<前編><後編>と分ける機会が多くなってきたが、それは最初から分けるつもりで分けているのではない。つらつらと好き勝手に文章を重ね、3000字あたりを超えた際「もうこれ誰が読むんだよ」と脳内編集部でブレーキがかかり、半自動的にタイトルに「前編」の文字を加える。また明日にした方が、収集がつくのである。ただ、この書き出しの時点で今日もどことなく、そんな予感がうっすらしているが早速本題に入りたい。(※やっぱりついちゃったね)

 
近年、ブログやmixiから始まり、現代人にとってネット空間に思いの丈をぶつける事は日常的行為となっている訳だが、その中で僕はアナログの手記というのも継続して書くようにしている。それは、2007年の大学入学時から開始され、心に闇が溜まると不定期的に書き綴るという、完全なストレス発散文章である。そのせいもあって、頻出単語トップ3は「虚無」「意味」「怠惰」。まさに純文学的自虐、中二病全開、そして春まっさかりな日記がこの2016年になるまで継続されている。社会人も何もあったものでない。
 
それを踏まえた上で、掲題の件に戻ろう。事の発端はつい先週。ふとその闇手記を振り返ってみようと何の気なしに手に取った。延々と自己卑下と自己総括が並ぶ光なき深海のような世界において、無駄に明るい記述が目に入ってきた。それは2008年4月「月姫2(仮)制作決定!」という見出しで始まる文面である。とりあえず、その時の感情を振り返るべくまるまる引用することで垣間見てみたい。
 
「いよいよ月姫次回作発表とのこと。最近で一番テンションが上がった。逆にこれくらいしか良いことがない。人生唯一の希望。やったね。さっちんルート!」
 
んー、なんだかヤバイ。引用してみて気付いたが全然明るくなかった。人生他にもきっと素晴らしいことあるって教えてあげたい。どうしようもなく塞ぎこんでいる。まぁ、きっと拗らせてたのだろう。そうだったはずだ。
 
ここで簡単に「月姫」について説明しよう。現在、アニメに映画、RPGにソシャゲと様々なスピンオフを果たし、未だに人気を博す「Fateシリーズ」。それを生み出したゲームメーカー「TYPE-MOON」通称「型月」が2000年に同人作品として発表した処女作がこの「月姫」である。同人とは思えないテキスト量、そしてエロゲの枠に収まりきらないその奇譚性。当時のオタク文化の概念を一つ構築したとも言えるその作品に多くのオタクが熱狂した。
 

月姫 (ゲーム) - Wikipedia

型月公式ページ載せようとしたら、全然紹介されてねえのな。クソ・・・
 
 
そして、いよいよ待ちに待ったその伝説的同人ゲーム「月姫」の続編が、現実のものになる。僕だけでない。ネット上も大きな期待と興奮をもってこのニュースを報じた。果たしてどのようなアレンジが加えられるのか、そしてついに、待ちに待った弓塚さつきのシナリオが・・・とかく夢は膨らんだ。
 
 
そして話は唐突にまるで関係なく現在に飛ぶが、2016年2月。いよいよ夏に控えたリオデジャネイロ五輪の話題が徐々に巷でも聴かれるようになってきた。最近ではジカ熱や競技場の未完成など、決してポジティブな話題ばかりではない。だが、そこは4年に1度のスポーツと平和の祭典、各国とも代表争い含め盛り上がりを見せている。また、今回は特にパラリンピックにも注目である。進化した障がい者スポーツは、通常の五輪に引けを取らぬ興奮をもたらすことであろう。
 
 
一方。その裏で、未だに僕らは「月姫」の新作を待ち続けている。過去のオリンピックもそうだった。ボルト最速伝説、日本体操復活、様々な感動的なドラマの裏で僕らは「月姫」の次作を待っていた。2008年北京の時も。2012年ロンドンの時も。そして多分、リオもそうなるだろう。発表当時冗談で「3年は確実だろうな・・・」「いや、1年生だった小学生が卒業するくらいは待つだろうw」と笑っていた頃も懐かしい。最早、小学校どころか中学校含めた義務教育が終わる。つまり悠に8年が経過しようとしている。それでも僕らは待っている。ソシャゲ課金でレアが出ない?ガチャの確率がおかしい?そんなことで炎上しているのを見るとついつい失笑する。僕らはたかだかコンテンツひとつを待つのに、気づけば学生という身分から労働者となり果て、気付けば貞操も失い、探せば白髪すら生えている。そして何故かは分からないが、乳首で感じるスキルすら保有するようにもなっていた。とかく時間とはなんと残酷なものであろうか。それほどの覚悟で、次回作を待ち続けている。
 
だが僕らは何故そこまでして待つのだろうか。「早々に見切りを付ければいいじゃないか。」「期待しても傷つくだけだ。」そんなことを周囲から言われる機会も次第に増えてくる。まさに遠藤周作「沈黙」さながらの信者にとっては受難の時と言えよう。
 
しかし、それでも我々は次回「月姫」を待たねばならない理由がある。それこそが、本編「月姫」においてヒロイン枠に入りそびれた「弓塚さつき」の存在である。奈須氏・武内氏のインタビューを見聞きすると、彼女のルートはもともと確かに存在する予定だった。ただ、当時の過酷な製作環境下で泣く泣くカットされた結果、僕のような所謂「弓塚さつき難民」が発生する事態となる。
 
 
いや、そもそもサブヒロインなんだから、そんな難民とか大げさでしょう、と笑われるかもしれないが、問題なのは「当初ヒロインになる予定だった」というのがネックなのである。そう、ゲーム序盤において彼女の魅力はイベント各所で散りばめられているのだ。そして、詳しい言及は避けるが、ルートによっては悲しい死を遂げたりもする。その他5人の正ヒロインは、吸血鬼であったり異能者であったりと特殊であるのに対し、彼女は唯一の一般人である。普通の同級生の優等生がとある不幸によってカルマを背負い、主人公遠野志貴に助けを求める。しかし、ヒロインとしてのルートがない。つまり彼女は最終的に志貴によって助けられることがないのだ。
 
いや、正ヒロインのストーリーはいずれも素晴らしい。アルクエイド、シエル、秋葉、翡翠琥珀。正直言えば、それだけで感動できる大作なのだけれど、僕らの心に、トラウマ的なしこりとして残ったのが「弓塚さつき」なのである。さらにトラウマになった理由はまだ続く。かなり高い確率で「月姫」のFD「歌月十夜」に彼女のルートが挿入されるという噂が立った。またもや、だが「現にその予定」だったらしい。それを完全に信じ込んだままプレイした僕は、そのトラウマを増幅させられる。型月厨ならご存知の通り、月姫にしろFateにしろFDの難易度は異常に高い。(まぁ待ってるエロシーンも格別なんだけどね)下手したら本編よりも難しい。そんな中で、一縷の望みを持ち続けた末のクリア、そして僕が抱いた絶望は想像するに易いことだろう。
 
「彼女が救われなければ、僕らは永遠に救われない。」そんな使命にも似た愛情を一人のサブヒロインに抱いてしまったせいで、その後様々な工夫を通し「弓塚さつき」というキャラを追体験するようになる。ここまでで2950文字。案の定、残りのぼやきは次回にしたいと思う。簡単な予告としては、型月という病気に犯された人間が「次回作が出ない」「好きなキャラのルートにありつけない」という哀しみの砂漠に放り投げられ、そこでどんなサバイブをしてきたのか。いかに水分を補給してきたのかを書いていきたい。恐らく「ファイブスター」勢先輩も同じ苦難を乗り越えてきたかとは思うが、そうしたストイックなオタクの在り方を示すことが出来ればと思う。