わがはじ!

めんどいオタクのブログ。

声に出して読みたい射精『抜いた記録』で迎える新年

f:id:daizumi6315:20190105123915j:plain

おそらく全国的に謹賀新年、年明けを迎えたようである。本年も引き続きしょうもないテキストを垂れ流しながら、また同人活動に変態的生活にと、それぞれ精進して参る所存なので宜しくお願いいたします。

 

そして、新年を迎えたということは、同時に冬のコミックマーケットを終えたということでもある。当方も相変わらずサークル参加させて頂き、わざわざ足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。今回の記事ではタイトルにある通り、コミケにて頒布されていた1冊の同人誌を取り上げ、新年らしいフレッシュな清々しい記事にしていこうと思う。

 

・DIY精神が詰まった暴力的同人誌

今回取り上げるのは、画像にも示したオタクと性を扱う新進気鋭のサークルLPOP(エルポップ)さんの新刊『抜いた記録』である。これだけ見て「え、抜いたって何を?」と思った方、即座に下のURLに飛び、これ以上読まないで、その綺麗な心をこんな場末ブログで汚さないでお願いだから。

kids.yahoo.co.jp

 

twitter.com こちらがLPOPさんの公式ツイッター

 

ということで、露払いも終わったので先に進むが。本書の帯にある説明文をそのまま引用すると「二次元を愛するオタク達の自慰記録1年間分+αと統計分析を完全収録。すべての人類に送る「オタク」と「性」の解体新書」とある。つまるところ、サークル構成員3人が1年間にわたって「何のオカズで抜いたか」「どこで抜いたか」「手淫かオナホか(オナホならどの銘柄を使用したか)」を記録し続け、1冊の本にまとめたという本である。

 

昨今、オシャレな企画に装丁、旅やグルメといった実用的な知識に溢れ、徐々にその市場を広げてきた評論ジャンル同人。そんなある種「評論バブル」とも言える時勢に、コミケの評論島に落とされた核弾頭。そして思い出せば、帯にあった「すべての人類に送る」って記述、なんていうか送られた人類側の気持ちを考えてほしい。人類サイド、なんも言うことねえよ。

 

そして、何が圧倒的ってそのボリュームだ。ページにして300ページ超。しかも表紙は限定で虹色箔加工までなされているバージョンもある。(通常盤でも銀箔加工)正直初見で引いた。それにしても、ここまで「要らない情報」を、熱量と射精量でデザインし、このような読み応えある同人誌にまで昇華できるとは。回数と質など自分のオナニーに対してよほどの自信がないと出来ない芸当だろう。見上げたDIY精神と言える。

 

f:id:daizumi6315:20190105123942j:plain

同じサイズ・厚みの本を探したら『Fate/zero』最終巻が該当。早速比較画像を撮ってみたが、表紙のセイバーが血の涙を流している理由が違って見える。

・声に出して読みたい射精

また、この本の最大の魅力といえるのが、毎度使ったオカズを丁寧に記録したことで、現代におけるオタクのための抜きネタタイトルアーカイブと化している点にある。そのジャンル幅は広く、静止画から音声、漫画、AV、エロゲなどに及ぶ。

 

予定表のようなレイアウトに丁寧に並べられた射精記録。そして書き込まれるネタの数々。そのタイトルを文字列を延々読んでいるうちに、謎の面白みが湧いてくるのが面白い。その圧倒的な文字の力はぜひ本書で楽しんでいただきたいのだけど、エッセンスだけ置いておこう。

 

『抜きゲーみたいな島に住んでいる貧乳(わたし)はどうすりゃいいですか?』『にとりさんなら土下座すればやさしくいじめてくれる』『ゲーセン姫とDT男のイチャイチャ小作りラブセックス』・・・このようなタイトルが300ページにわたり延々並ぶわけである。片頭痛と共に、なんだか笑えてくる。是非、新年だからこそ声に出して読んでみたい。もういっそ、かるたとか作りたい。

 

僕の学生時代の話になるが、地元のTSUTAYAで毎年「パロタイトルAV大賞」を友人と2人で決めていたという過去がある。そのような経験からも、やはりこうしたエロ作品のタイトルというのは日本語文化のある意味で進化を示していると感じる。何か、人のバカらしい温かみというか、AIに負けない人間としての意地を見ることが出来る気分だ。

 

・自ら恥を晒し、何を作るのか

こうした同人誌という文化は昨今の出版不況ということもあって、逆説的に注目を浴びつつある。つまるところ、全国流通させることを前提とした大量生産・販売がキツくなっている中で、各個人が本当に面白いと思ったものを作り、それが受け入れられる土壌が出来上がってきている。地産地消というか、需給が非常にタイトな仕組みが今の時代にマッチしているのかもしれない。

 

当然に編集や文章に練度の差があり、未だに本職の出版社から出る本には相応の力がある。それでも、本当に尖った本というのはこうした同人誌から立ち上がるという認識が、少しずつでも一般的になってきているのではないだろうか。今回取り上げた『抜いた記録』などは、多分というか絶対に、普通の出版社から出る代物ではない。何なら、自らの射精記録なんて本が、メロンブックスさん辺りで流通しているという事態すらすごい状況だと思う。

 

このサークルLPOPさんとは、多少の縁がある。LPOPさんがコミケに初参加されたC93の際、僕も僕で『’00/25 Vol.7 これからの「性器」の話をしよう』という下ネタ全開の雑誌を作っており、そんなジャンル設定も功を奏してか、サークルがお隣に配置されたのである。その際に、同人誌やサークル活動のコンセプトを伺い、共感を覚えたのも懐かしい。そこから1年が経ち、今回のような恐ろしい新刊を引っ提げて、ありがたいことに当方スペースに挨拶にも来てくださった。

 

なんていうか、この本によって、僕自身も同人活動を継続する中で忘れていたものを呼び起こしてくれた気がする。(ずっと忘れていた方がよかったかもしれないけど)

 

当ブログタイトルの「わがはじ!」もわが恥を晒す、という文を短縮させたものだ。徐々にアラウンドからジャストサーティになり、自分の身の周りなどを気にするようになってきた中でだんだんと「あまり無理はせず」という意識が強くなっていた。それでもやはり、同人活動やらモノづくりというものは、どこかで自分の恥を晒す行為なのだ。このような暴力的なまでに自らの性生活を晒した怪作を目の前に、僕もまた何を作るのか問われた気分である。メロンブックスさんの通販URLを置いておこう。

t.co

 

同人誌という場で、あくまでも自分が作りたいものを作る。そんな基本的な気概を、この壮大な下ネタクロニクルから教わったような。大人になる中で、また1年間、真面目にバカな事をしないとなと自戒することとなった年始でした。引き続き、今後もこのような形でおすすめ同人誌紹介なんかも続けていければいいなって思います。