わがはじ!

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格ゲーは「観戦」に耐えうるか

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格ゲー観戦も悪くないもんですよ。はい。

春真っ盛りすぎて、正直暑い。このままだと予定より早く桜も咲いてしまう・・・人間ってわがままだよなぁって思いつつ、昨今にわかに熱を帯びてきた「e-sports」関連の話題を書いてみようと思う。ちなみに花見予定はないです。

 

今日のテーマは対戦格闘ゲーム、いわゆる格ゲーである。本日、秋葉原UDXにて行われたCAPCON主催「ストリートファイターリーグ pwoered by RAGE」のグランドファイナルが開催され、僕も観戦に出かけてみた。

streetfighterleague.capcom-s.com

 

実際見てみるまでは、はっきり言って「生で観衆が見にいく格ゲーの大会」という感覚がイマひとつつかめず、またチケット代¥3,000という価格が適正かも疑っていた。ただ、モノは試しにと思い切って行ってみた結果、興味深い点がいくつかあった。今回はこのグランドファイナルを見て思った「e-sports」の可能性について考えてみたい。

 

・格ゲーの「わかりにくさ」をどう乗り越える

格ゲー。過去から根強いファンも多く、昨今では世界で活躍するプロプレイヤーも多い。僕もかなり熱を上げている。しかしながら、ファンはいいとしてもそのプロの凄さを人に伝えようとしても非常に伝わりにくい。実際にプレイしていない人からしたら「これ、何がすごいの?」となるのは当然だろう。

 

今回「ストリートファイターリーグ powered byRAGE」では、そのような層に訴求力を持たせるため一風変わったことを行った。それは「レベル別チーム制」である。格ゲーに初めて触る若手タレントからオーディションした「ビギナークラス」、20歳前後の若手実力者プレイヤーから募った「ハイクラス」、そして世界で活躍する筆頭プロプレイヤーから選出した「エクストリームクラス」、それぞれ異なるレベルの3人がそれぞれチームになり、約2か月にわたるリーグ戦を闘うというレギュレーションだ。

 

対戦はクラスごとに分けられており、ビギナー同士の対戦は1ポイント、ハイクラス同士は2ポイント、エクストリームは3ポイントという具合にポイント制でリーグ戦の順位を決定。上位3チームがグランドファイナル出場となる仕組み。

 

つまるところ、このゲームを極めた人は何がすごいのか。初心者プレイヤーとの差異を見て、初めてなるほどこれはすげえという認識に繋がるのは分かりやすい狙いである。超人を紹介するバラエティ番組などでもよくある手段だ。この企画はチーム編成が始まったところから、abema TVで配信されており、僕も「面白い発想だな」と関心していたのだけど。

 

実際に見て、湧きあがった感情はまた更に異なっていた。

 

・推しの化学反応

ビジュアル系エアーバンドとして人気の「ゴールデンボンバー」。そのメンバー歌広場淳氏が格ゲーにかなり精通していることは一部で有名である。いや、普通に強い。今回もそんな氏がスペシャルゲストとして呼ばれ、解説やトークを担当することとなっていた。

 

そして入場待機列に並んでみると、確実にこの女性・・・格ゲーじゃなくて歌広場目当てでは・・・という女性が目に付く。チケットは完売と聞いていたが、これ格ゲーの盛り上がりじゃなくて、金爆効果・・・という疑惑が頭を掠める。実際、歌広場登場と共に盛り上がる女性陣。しかし試合が始まるとその不安は、思わぬ方向で解消されることになる。

 

今日、最も観衆の声援を受けたのは、ネモが率いる「NEMO AURORA」に所属するビギナークラス奥村茉実(浅井企画)だったのは間違いないだろう。今回企画、紅一点の女性選手でチームはリーグ2位で本戦を通過したが、本人の戦績は0勝10敗。一度も勝てていなかった。

 

このグランドファイナルにおいても、初勝利を狙い、健闘したが勝てなかった。しかしながら、彼女の操るブランカが、ビギナークラス最強を誇った国定涼介から1Rを取った場面、会場は今日一番の盛り上がりを見せ、かく言う僕も声をあげて応援してしまった。その際、横を見れば先の女性観客からも、奮闘する奥村に熱い応援が飛んでいたのである。

 

これはあくまで憶測だが、もしかしたら本当に。歌広場目当てで来場した人も多かったかもしれない。格ゲーにそこまで強い興味はなかったかもしれない。しかし、大会の最後、勝てなかった事を涙ながらにチームと観客に対し、謝る彼女のコメントは、恐らく見ている人の胸を打っていたことだと思う。そして「今後も格ゲーを続けたい」と語った言葉に僕はちょっと泣いてしまった。

 

格ゲーは正直言って地味である。スポーツと違って身体性はバーチャルであり、その人間的な凄さは想像しにくい。ただ、そこにひょんなことから共感に足るストーリー性が付与されると、思った以上の訴求力が生じ、会場にも一体感が生まれる。はっきり言って、今日もスポーツ観戦のような盛り上がりは生じないだろうな。と思っていた。ただ、やはり現場は違う。何かが起こるものだと、改めて実感させられた。

 

・ビギナーとプロがあっての「文化」

板橋ザンギエフ率いる「ITAZAN OCEAN」の優勝をもって大会が終わり、カプコン小野義徳プロデューサーが総括の際こんなことを言っていた。「ビギナークラスの戦いでは想像をしていなかったような結果が見えた」その通り、このリーグではビギナークラスの存在、そしてハイクラスの中間層を設けたことに大きな戦果があったのだろうと思う。

 

これまで格ゲー周辺は、どちらかと言えば強さ一辺倒なカルチャーであり、新規参入は他の文化と比較すると厳しい世界だった感がある。今回、目に見える形でプロに対して「育成」を義務とした企画を開催したことによって、これまでの「強いからすごい」という見方から「強くなる面白さ」を提示出来たのは大きいことだと思う。

 

また大会中「ITAZAN OCEAN」のハイクラス・もっちゃんの個性の強さなども見どころとなり、やはり今後、格ゲーがスポーツとして受容されるには、そのプレイヤーの魅力や、ストーリーの共有という部分への注力が重要視されるべきなのだろうと感じる。

 

当然、ある程度上の世代、つまりゲーセン世代からすると格ゲーがいよいよオープン化することに対して、戸惑う気持ちも理解できる。しかしながら、最近ネット対戦をすれば中国勢、韓国勢、また東南アジア、アメリカ勢、各国の猛者とマッチアップすることも日常となった。現状、すでにすごい時代になったものだ、と思っていたが。今日の大会を経て、もっと格ゲーがスポーツへと深化し、そしてプレイしても、見ていても面白くなるような気がした。

 

日々、夜な夜なネット対戦をしては負け、もう嫌だ・・・と折れそうな気持ちになるものの、今日の奥村茉実の言葉で少し前向きになれた気がした。また今後も様々な仕組みをカプコンは企んでいるらしく、引き続きその続報を待ちたいところである。

 

格ゲー本筋のことは、詳しい人に聞いてくださいってことで。暖かい1日の格ゲーファンの独り言でした。